樹脂ベアリングとは

樹脂ベアリングとは

樹脂ベアリング(プラスチックベアリング)とは、プラスチック製のベアリングです。一般的なベアリングはそのほとんどが金属製ですが、金属製ベアリングでは使えないもしくは使いづらい環境で使われることが多いです。

一般的な深溝ボールベアリングは、外輪、内輪、保持器、ボールからできています。
樹脂ベアリングでは外輪と保持器、もしくは外輪、保持器、内輪が樹脂でできている場合が多いようです。しかし、内輪やボール、保持器(リテーナ)はプラスチック以外の金属やガラス、セラミックなどが使われることもあります。

深溝ボールベアリング写真提供:鹿島化学金属様 樹脂ベアリング(プラスチックベアリング・樹脂軸受)には、金属製のベアリングにはない、様々な優れた特徴があります。
・軽い
・騒音が少ない
・液体がかかっても性能が落ちない
・錆びない(錆びにくい)

樹脂製ベアリングには、
・すべての部品が樹脂で作られてるもの
・ボールだけがステンレスやガラスなどの素材で作られてるもの
・外輪、保持器、内輪が樹脂で作られてるもの
・外輪のみが樹脂で作られてるもの
・ベアリングの一部に樹脂が使われているもの
など用途によって様々な種類があります。

樹脂ベアリングの主な特徴(金属ベアリングとの比較)

一般的な樹脂ベアリングの特徴・メリット

プラスチックならではの特徴として、電気を通さない(絶縁)、磁石にくっつかない(非磁性)、軽い(軽量)、騒音が少ない、錆びない(耐水)、腐食しない(耐薬品)といったものが挙げられます。

・軽い
・騒音が少ない
・水や海水、水蒸気で錆びない・錆びにくい(耐水性)
・薬品に腐食しない・腐食しにくい(耐薬品性)
・難しい加工も可能
・電気を流さない(絶縁)

外輪・内輪ともに樹脂の場合

また、通常の金属ベアリングは回転するときに焼付を起こさないようにするためにグリースという潤滑油が使われますが、外輪・内輪ともに樹脂の場合、樹脂ベアリングはグリースを使わなくても焼付を起こしません。そのため、グリースが流出したり、グリースにホコリや粉塵が付着することがありません。食品加工過程などで万が一にでもグリースが食品に混ざってしまうといけない環境や、乾燥してグリースが固まってしまうような環境で使われることもあります。

・オイル・グリースが必要ない(無潤滑で使える)のでメンテンナンスフリー
・水中・液中などで使ってもグリースが流れ出ない

樹脂ベアリングのデメリット

金属のベアリングに比べて樹脂ベアリングはどうしても耐荷重が小さくなります。また、樹脂は温度や湿度によって体積の変化が大きいのであまり精度を求められる場合には不向きです。

・金属よりも耐荷重が小さい
・精度が限定される

樹脂ベアリングの主な用途

樹脂ベアリングの主な用途 一般的に使われる商品で一番目にする機会があるのは、事務机の引き出しのローラー部分ではないでしょうか?軽く、錆びにくく、なんといっても静かという樹脂ベアリングの特徴を生かして利用されていますが、樹脂ベアリングはそれ以外にも様々な用途で利用されています。

主な用途

・事務用品や家具
・住宅関連
・洗浄機(半導体関連、フィルムなど)
・メッキ装置(半導体関連、一般産業機械など)
・染色、染織装置の搬送ライン
・ローラーコンベア(食品、漁業関係など)
・制御装置の静電気防止
・乾燥機
・噴水、環境関連機器
・その他産業機械全般

樹脂ベアリングの種類

製造方法による種類

大きくは樹脂用金型を使って成形する方法と切削加工で製造する方法の2種類があります。

成形による製造

樹脂金型を使って成形する場合、まずは金型を製作する必要があります。この金型に大きな費用がかかりますが、金型を作ってしまえば同じものを大量に製造することができるため量産に向いています。また、材料によっては成形できない種類の材料もあります。

切削加工による製造

切削加工の場合はプラスチック材料から刃物で切削加工する方法で製造するため、試作や小ロットでの製造には適していますが、量産には向いていません。

材質による種類

プラスチックの種類によって様々な特徴があります。耐久性、耐熱性、どのような薬品に強いのか、非磁性、絶縁性、価格などによってプラスチックの材料を検討する必要があります。

樹脂ベアリングの形状

深溝ボールベアリング 樹脂深溝ボールベアリング アンギュラベアリング(アンギュラボールベアリング)樹脂アンギュラベアリング スラストベアリング(ボールベアリング) 樹脂スラストベアリング 調心ベアリング(ボールベアリング) 樹脂調心ベアリング

樹脂ベアリングメーカー

樹脂ベアリングメーカー

樹脂ベアリング(樹脂軸受)を取り扱っているメーカーの一覧です。
樹脂ベアリングについての詳細は、個別のメーカー様のホームページでお問合せ下さい。

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